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2020/03/31 20:09

こんばんわ。forget-her-notです。


この度、4/24~28に東京・高円寺にて開催予定でしたポップアップショップを”延期”させていただくこととなりました。

ずっと前から楽しみにしていたみなさま、わざわざお休みをとって遠征予定していてくださったみなさま、足を運ぶか否かで思い悩ませてしまったみなさま、誠に申し訳ございません。

いわずもがなではありますが、新型コロナウィルスの影響によるものです。

わたし自身、何ヶ月もかけて準備してきましたので悔しさでいっぱいです。

しかし、今この瞬間になにを一番大切にすべきかと考え抜いた末、このような決断をさせていただきました。

どうか、ご理解いただけますと幸いです。


つきましては、下記のようにスケジュールおよび販売方法を変更させていただきます。



・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


4/20(mon)~4/23(wed)

コンセプト小説を順次web配信


4/24(fri)  20:00

オンラインショップに販売・受注商品を”公開”


4/25(sat) 23:00

オンラインショップの全商品を”販売”開始


↓即売商品を順次発送


5/末~6/頭

受注商品を発送



※時期未定(状況次第ではできなくなることもあります)

高円寺ギャルリー・ジュイエ様にて”フォロー展”という形でポップアップを開催


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・



オンラインショップの”公開”のタイミングでは、購入不可の状態でのお披露目になります。

これは多忙なお客さまたちに、できるだけフェアにお買い物いただきたいと思ったからです。

“販売”開始までの約1日、ゆっくり眺めて悩んでもらえたらうれしいです。

ご質問などもあればお受けしながら”販売”へ持っていこうと思っています。


なお、オンラインショップに販売・配送につきましては、状況次第では素早い対応がいたしかねる場合もでてくるかもしれません。

理由としましては、コロナウィルスの感染拡大の影響によって現在~今後にかけてオンライン販売の増加が見込まれ、物流が一層混雑していくだろうと感じており「こんな非常時に配送業者さんたちも苦しみながら日々がんばってくれている」「みんなのために危険を犯しながら働く人々がいるのだ」と言うことを失念したくないからです。

わたし個人としましてはもちろんお客さまの元にすぐ発送したい気持ちですが、状況と合わせてそういった配送者の方々のことも考えての配送を心がけたいと思っております。

どんなときでもわたしたちをつないでくれる業者さんも、みんなわたしたちと同じ一人の人間です。

そのため、あまりにも混乱した状況であった場合はスケジュールも再考することになると思います。

販売・配送への遅滞が発生する場合はあらためてアナウンスいたしますが、どうか予めご了承ください。


時期未定の”フォロー展”に関しましても、状況によっては開催を断念する可能性があります。

ご理解くださいましたギャルリー・ジュイエ様、本当にありがとうございます。

また見通しが立ち次第、アナウンスさせていただきます。


全国各地のみなさまの安全をお祈りしながら、わたし自身の正しさのもと、できることを頑張っていきます。

どうぞ、今後ともよろしくおねがいいたします。



<ここからは少々長くなりますので、もしお読みくださる方がいらっしゃればお付き合いください>




今回、さらりとスケジュールだけをお伝えするだけでもよかったのですが、

どうしてこういった決断をしたのか、という理由についてお話をすることにしました。

人々が心の手と手をとりあって乗り越えなければならない今、思いやりの心が問われる今、

ちっぽけなわたしの言葉ではありますが、誰かに響いて、伝播し、そのことで一つでも命をつなぎとめることができたらいいなと思います。


わたしは数年前まで都内におりましたが、現在は地方に住んでおります。

わたしの住んでいる地方はまだウィルスがそれほど拡散しておらず(とはいえ、先日まとまった感染者がでてしまったのですが……)、世界的に見たとき、比較的平穏なエリアなのだと思われます。


しかしながら、わたしが活動拠点としているのは今まさに大混乱を極めている東京の街。

わたしが自分本位のまま赴き、そして帰還したとしたらどうでしょうか。


第一に、苦しんでいる東京の人々にあまりに無礼だと思いました。

そして第二に、自分の住んでいる場所の平和を脅かすことを恐れました。


わたしはアルバイトをしているのですが、そこは神聖で由緒ある神社の一角なのです。

参拝にくる人々の数はあまり減少していません。

むしろ行き場を失った不安な人々が、少しでも気分を晴らそうとやって来ている。

そして同時、圧倒的にお年寄り・家族連れが多いです。

わたしはただのバイトでしかありませんが、人々に手ずから淹れたお茶を出し、物品の売買をし、近い距離で会話をし、ときには触れ合います。

そしてなにより、わたしはあの場所が好きなのです。

もしもわたしが身勝手に、利己的な心のために行動し、大好きな人たちを危険な目に合わせるかもしれないと思ったら怖くてたまりません。

最悪、あの場所をめちゃくちゃにしてしまうことだってありうる。たくさんの人の生活に苦しみの底へ追いやることになる。

それだけは絶対に嫌だ、と思いました。


しかしながら、わたしもforget-her-notの売上で家賃など捻出している身なので、なにもかもやめるわけにもいかない。

それに少なからず楽しみにしていてくださった方々がいるのであれば、その皆さんの気持ちにも応えたい。

ーーーこれだけではあまりに美談で胡散臭いので付け加えると、わたしだって頑張ってきて悔しいからみんなに見てほしい……!超悔しいもん!というのも、もちろんあります。

ある程度こういう出来事というか、予期せぬ自体により唐突に運営困難になる状況は個人事業主を選択したとき、いずれ起こり得ることとして想像の範囲内でした。なんなら数年内に起こる前提でこの道を選択したところもあるので、そういう意味では全然へこたれてはいません。……それでもやっぱり、やりきれなさはどうしてもあります。人間、どんだけわかっててもそうなっちゃいますよね。

たぶん、個人事業主をしている人たちはみんなこんな気持ちなのではないかと思います。わかっちゃいた、覚悟はあった。でもやりきれない。悔しい。

でもわたしは「しょうがないか~」と、笑って手放して次へ次へと意識を向けるのもまたひとつの手段かなと思ったりします。

forget-her-notに対して思い入れも愛もあるけど、しょうがないもんはしょうがないときがある。

手放しても死なないし、生きてればまあいずれどうにでもなるし、どうにかすればいい。

でも絶対にただでは終わらせない。その執念だけはありますが。


"不要不急"といえば"不要不急"な物品を取り扱う立場として、立ち回りが非常に難しいところですが、

ドイツ政府が言った「アーティストは生命維持に必要なのだ」という言葉は核心をついたものだと感じます。

わたしはアーティストなのか?と問われると微妙なところではありますが、ひとりの表現者であるという自負はあります。

曲がりなりにも表現を武器に生きる者として、あるいは過去を未来へつなげるためのバイヤーとして、創り手として、"生命維持"の一端を担いたい。

だからわたしは自分なりの正しさを日々更新しながら、できるかぎりの配慮とともに皆さまに表現をお届したい。


しかしながら、少なくとも自分の今後半年分の生活のかかったポップアップを泣く泣く取りやめた一番の理由はその熱意より更に"重大"なものです。

なんとも綺麗事に聞こえるかもしれませんが、今この瞬間、もっとも尊重すべきなのは自分のことではなく、自分をとりまくすべてなのだと感じたのです。

しかしながら同時、自衛がそのまま他者を衛ることにも繋がります。

むずかしい線引きですが、保身と自衛、この似て非なるものの見極めと選別が大事なのだと。


「自分ひとりくらい別に問題ない」


この意識をひとりひとりが変えなくちゃいけないと思います。でなければ崩壊の未来はまぬがれないと感じます。

けれど今、これ気づき、行動を変え始める人々は確実に増えている。明るい未来の兆しはある。絶望の瀬戸際だけど。

ーーーいや、気づいている人はもっととっくに気づいていて、わたしが自覚したのなんか遅いほうなのです。恥ずかしいことです。

その恥も承知のうえで、すでに遅いからこそ発信してみるのです。


わたしたちが心から笑顔で日々を謳歌し、自由に、のびのびと好きなことをするためには、平穏の奪還が第一です。

わたしたち小市民にできることなんて些細ですが、だからこそまず第一に、みんなで足並み揃えて辛抱。辛抱。


『着眼大局、着手小局』

ーーーこれはかの孔子の弟子である荀子の言葉です。

現代ではビジネス用語や教育用語として用いられがちですが、ベクトルは違えど同じことだと思います。


いろんな正義や、それに乗じた思惑が交錯している世の中に辟易もします。

でもわたしはこんなときこそ、言うの恥ずかしいしけど……「愛は勝つ」と信じます。

決して望みを捨てず、しぶとく、しぶとく。勝つのはわたしたちだと信じて。


どんな選択をしても正しさのすべてを網羅することはできません。

どこかしら矛盾し、相容れず、それでも最大限に智慧を巡らせながら、思いやりの上で創意工夫をしていくしかない。


はやく可愛いお洋服を着てピクニックしたり、食べ歩きしたりしたいですね。

みなさんもどうか、また笑顔でお会いできるその日まで生き抜いてください。


長くなりましたが、お読みくださった皆さま、ありがとうございました。

あくまでもわたしなりの考え、方針ではありますが、なにかみなさんの心に響くものがあればうれしく思います。





2020/03/31

forget-her-not