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2019/12/23 20:06

12月21日、土曜日、夜。
神楽坂の劇場メルシアークさんにて、声優 笠原弘子さんのクリスマスシアター『魔笛』が上演されました。
笠原さんにとり"はじめての試み"ともなるその記念すべき舞台へ、物語の原作提供、脚本協力をさせていただきました。



不思議で、とても素敵な夜でした。
この場をかりて、少しお話させていただこうと思います。

* * *

「朗読、歌、お芝居、という今までやってきたことと、それからずっとやってみたかった身体表現ーーー様々な要素を混ぜ合わせて、今までにないことをやってみたい」

笠原さんの想いがたくさんつまった『魔笛』。
モーツァルトのオペラと同じ名を持つその舞台。
それは一夜かぎり、この世界のほんの一握りの人だけが目にすることが許された、いわば『今この瞬間にしかいない笠原弘子の、その全身全霊の語りそのもの』のことだったのじゃないか、とわたしは思う。

開演時間、すうっと照明が落とされた客席にはまだ談笑の余韻が熱っぽく残っていた。
静まりゆく会場へ、これまでとは全く違うアプローチで、なんの前置きもなく舞台ははじまった。
客席にいる誰もが「これから一体なにが起こるのか」と、五感をひらいていた。
そこへ未だ姿を見せていない笠原さんのモノローグが響き渡ると、ビリビリ、と劇場の壁が震えた。

あの瞬間、劇場内の時空が奇妙に揺らいだのがわたしには見えた。
それはいびつな歪みとも、亀裂とも、どれともちがう不思議な揺らぎだった。

やがて笠原さんが登壇し、物語がはじまると、ちいさな劇場はまるごと彼女の世界に塗り替えられた。
客席に座るわたしたちは、なにもかもを知らないまま、ぐん、ぐん、巻き込まれていく。
声、まなざし、仕草。あらゆるすべてを操り、さまざまに世界を描きだす彼女に、誰もが目を見張っていた。

物語が終わったあと、しばらく動けなかった。
目の前に繰り広げられていた世界を旅していた心を、こっち側に引っ張りおろすまで時間がかかってしまったのだ。
ドリンクチケットで頼んだコーラにシュワシュワ胸元を刺激されても、なお余韻は抜けきらず、わたしはもう空っぽになったカップをいつまでも傾け、空気を飲み続けていた。

ほんとうに不思議な夜だった。

* * *


笠原弘子さんといえば、わたしにとっては魔法騎士レイアースの鳳凰寺風ちゃんです。
その作品を見ていたとき、まだあまりに幼かったので記憶に鮮明ではないのですが、風ちゃんファンだったわたしはこっそり頭の中で風ちゃんの真似をして、自分を「わたくし」なんて言ってお嬢様ぶってみていた気がする。(……いや、口にも出してたかもしれないけど。笑)
笠原さんとめぐり会い、親交をふかめ、あとから「風ちゃんだ」と知ったときには、それはそれは放心したものでした。

……そして、まさか!
笠原さんのために物語を書くことになるなんて!

しかも今回、わたしの書いた物語に合わせ、作曲家の松野恭平さんが新曲を書き下ろしてくださったのです……。
まさか、あんなにも物語に寄り添ったかたちで曲と歌詞を書いてくださるなんて思っていなかったので、たまげて、たまげて、頭が真っ白になりました。
こういうときの人間、面白いものです。
「え? 睨んでんの?」みたいな、まこと鬼気迫る形相で舞台を凝視していました。
途中で気づいて微笑みに変えてみたものの、感激のあまり、半分くらい曲を聴いていませんでした。(ごめんなさい)
トークイベントの後でもう1回歌ってくださった時、やっときちんと聞くことができて、手のひらが痛くなるくらいの拍手を送りました。

終演後、関係者のみなさんとあーだこーだと話しながらも内心、「今、現実? 本当に?  原作書いたの、わたし? え、そんなことありえる? え? 本当? 本当に本当なんですか? ……いや、だめ、むり、わかんないや」という具合で、今だから言うのですが、夜の間じゅう、ずうっと正気を失っていました。

22日の0時に配信開始となった表題曲『ピアニシモ』を何度も、何度も聴いて、ようやくどういうことなのかわかってきている今なのです。

* * *


”笠原弘子の『魔笛』”はここで終わらず、さらに、さらに試み続けるとのこと。
かわいらしい笠原さんの内側に秘められた、泉のごとき探究心、無垢な好奇心、確固たる自意識、そういうあらゆるものをまるっと包みこんでいるやわからな愛情、つつましさ、それらのすべてを敬愛してやまないので、これから先がすごく楽しみでなりません。

わたしも一人のライターとして、一緒に試みを続けさせていただくことになりました。
本当にとっても、とっても、とっても嬉しいです。

物語をぽつぽつと書きはじめた4年前から、自分の書いた物語をいつか自分以外の誰かの手で表現してもらえたら…と思っていたので、今回のご縁はきっとかけがえのないものになるのだろうなと思っています。
あのとき、なんだかよくわからないけど突然閃いて小説を書きはじめたことを不思議な気持ちで思い返してしまいます。
わたし自身としてもやってみたいことが山ほどあるので、よりいっそう、がんばりたいです。

長くなりましたが、これにて。
”forget-her-not”としての活動ともども、わたし個人の執筆活動についても応援してくださるとうれしいです。

*  *  *


♡ 笠原弘子さんの『ピアニシモ』はこちらからお聴きいただけます ♡





ぜひみなさんにも聴いてほしいです^^
よろしくおねがいします♡